細胞を平らな層として増殖させる従来の細胞培養技術では、がん細胞が薬剤の影響を受ける際に重要な役割を果たす腫瘍微小環境の複雑さを再現できません。 微小環境の影響を無視すると、薬剤耐性の獲得を含む腫瘍細胞に対する薬効予測の精度に影響します。 効果的ながん治療には、腫瘍細胞と腫瘍微小環境の構成要素との相互作用によって確立される薬剤耐性獲得機構を克服できる薬剤が必要です。
3D細胞培養技術では、より確実な予測を行うために、生体内に近い環境を構築することが必要になります。 しかしこれは、従来の 2D細胞培養のプロトコールに比べてコストと時間がかかるため、多重アッセイにより3D細胞培養から最大限の情報を得ることが重要です。
テカンのイメージング機能付きマルチモードプレートリーダーSpark Cytoは、3Dモデルでの明視野および蛍光イメージングに広く使用されており、3Dマトリックスに埋め込まれた細胞を含む厚いサンプルのイメージングに適しています。
本アプリケーションノートでは、エリブリンおよびラムシルマブに対する治療効果を調査するため r-Tube 3Dモデルを使用した多重アプローチを行い、連続明視野イメージングおよび Cell-TiterGlo発光分析 (Promega社) による結果についてまとめています。
このような方にお勧め
- 薬効・薬理の研究を行っている方
- 免疫学を応用した個別化医療の研究開発を行っている方
- 3D細胞培養を用いたアッセイ法を確立したい方
※本文は英語です。