創薬標的タンパク質に対する候補薬剤の結合活性を定量的に評価する上で、薬剤の濃度依存的な結合シグナルを解析する必要があります。
その際に実験操作として問題となるのが、化合物の溶解に用いられる有機溶媒の影響です。有機溶媒はタンパク質に対して変性作用があり、失活を誘発します。また水と異なる屈折率をもつため、有機溶媒の濃度誤差や不均一な溶媒調製は、得られるデータのバラツキを大きくし、時には誤った結果を出してしまうことも起こりえます。
本アプリケーションノートでは、デジタルディスペンサーを使用することにより、アッセイプレートの作製を簡略化が可能であることを示しています。
<アプリケーションノート概要>
D300eデジタルディスペンサーを使用して、結合解析に必要な濃度の異なる化合物溶液の調製を行いました。この調製した化合物溶液の標的タンパク質に対する結合シグナルを表面プラズモン共鳴法 (SPR法) により評価しました。デジタルディスペンサーで化合物分注を自動化した場合と、マニュアル操作の場合とで得られる結果の違いについて考察しています。
- 製薬企業で創薬スクリーニングや薬効・薬理評価を行っている方
- 微量分注を伴う実験で再現性を得られず困っている方
- これから微量分注が必要な実験系を構築する方
に特にお読みいただきたいアプリケーションノートです。
【関連資料】