技術資料・マニュアル

【アプリケーションノート】アンプリコンシーケンスによるSNPジェノタイピング解析

Allegro Targeted Genotyping V2を用いたトマトDNAのSNPジェノタイピングの精度の評価

【アプリケーションノート】アンプリコンシーケンスによるSNPジェノタイピング解析

NGSを活用したゲノムワイドSNPジェノタイピングは、作物の遺伝子解析や育種選抜において重要です。一般的なNGSジェノタイピング手法として、GBSRAD-SeqGRAS-Diなどがありますが、これらは得られるSNPの位置が異なるため、異なる実験間での結果比較ができません。これに対し、アンプリコンシーケンシング法は特定のSNP領域をPCRで増幅し、NGSで解析するため、より正確なデータ比較が可能です。この手法は、品種の同定やゲノミック予測に非常に有効です。

Allegro Targeted Genotyping V2システムは、Single Primer Enrichment TechnologySPET)を使用して特定のSNP領域をPCRで増幅し、Illumina社のシーケンサー用のライブラリーを作成するキットです。このシステムでは、1つのライブラリーに最大48サンプルをプールでき、1回のアッセイで10万か所以上のSNPのジェノタイピングが可能です。実際に、トマトの500SNPに対してプローブを設計し、65品種のトマトDNAでジェノタイピング試験を行い、結果を比較しました。

※本文は日本語です。

【関連資料】

【執筆者ご紹介】

磯部 祥子 博士:東京大学大学院 農学生命科学研究科 園芸学研究室 教授
植物遺伝解析、分子育種、植物ゲノム解析がご専門です。

【東京大学大学院 農学生命科学研究科 園芸学研究室】

果樹、野菜、花きといった園芸作物は、私たちが健康で文化的な生活を過ごすために不可欠で、わが国の産業上も大変重要な役割を果たしています。園芸作物では、絶え間ない育種改良によってさまざまな色、形、機能性を有する品種が生み出されてきました。また、普通作物とは異なり栽培環境を制御するなどして積極的に作期の拡大が図られてきました。そのため、園芸作物にはモデル植物にはない複雑な多様性や環境応答性をみることができます。園芸学研究室では、こうした園芸作物の秘められた魅力についての研究を行っています。

>>東京大学園芸学研究室のWebサイト